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アークテリクスとは
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アルファFL40の性能
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他のザックとの違い・比較
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実際に使ってみて
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最後に
アークテリクスとは
山と一体になること。それこそが生きる理由であり、自分たちのインスピレーションの源。グッと心をつかまれるメッセージですね。「コースト山脈ほど、他に製品テストに適した場所は思いつきません。この地帯は広大で環境は過酷、そしてめったに他の人に遭遇することがない。未知で未踏な冒険に溢れている、これこそ本物だ、と感じさせられた。本物しか通用しない場所。」そこでのギア作りをしているカナダ発祥のアウトドアブランドです。過酷な環境でも活動できるように、耐久性、機能性は高い技術力で作り上げています。またデザインも良く、ファッションとして着ている人も多いですね。
アルファFL40の性能
アークテリクスは様々なザックがありますが、今回紹介するのはアルファFL40というものです。FLはファスト&ライトの略。速く軽く、軽快なアルパインアクティビティに特化した、徹底的なミニマルデザインの40L ザック。スッキリとした形状で重量を最小限に抑え、ロッククライミング、アイスクライミングの活動の妨げにならないよう、動きやすくなっている。グローブをした状態でも扱いやすいトップストラップでロープを固定できる仕様。防水・耐久性に優れ、摩擦にも強い生地。ショルダーストラップをデザイン変更し、フロントポケットを大きく、新しい内ポケットを取り入れた2020モデルを私は使用中。現在は、より改良されたアルファFLが登場しています。
機能
- アイスピッケルループ2つ
- フロントの一体型ラッシュポイント6つ
- コンプレッションシステムでクランポン、アイスツール、ビレイパーカーなどを持ち運び可能
- トップの圧縮ストラップ
- 熟成形の肩ストラップ
- 取り外せる調整可能な胸ストラップ
- 4㎝/1.6inウェビングヒップベルト
- シームテープ仕上げで優れた防水性を誇るアークテリクスAC²(高性能コンポジット構造)技術
- 硬めの定型バックパネルが背中への快適さを確保しつつ構造をサポート
- クライミングに適した機能がフル搭載された超軽量デザイン・構造
- 内側のセキュリティーポケット
- キークリップ付きウォータータイト外ジップポケット
- ロールトップクロージャ―
- 大きいウェビングプルタブ
- ドローコードを引っ張ってメインコンパートメントの開閉が可能で、簡単アクセス
- 軽くて耐久性に優れたN400r-AC²ナイロン6リップストップ
- N70rナイロン6リップストップ
サイズ
高さ:63㎝ 幅:30㎝ 奥行:25㎝ 機内持ち込み115㎝だと、ザックに荷物をギュウギュウにしなければいけるサイズ。
他のザックとの違い・比較
私が今まで使ってきたMILLETのSASS FEE30+5と比較してみましょう。
①重量
ミレーサースフェー30+5 1500g
アークテリクスアルファFL40 715g
となっています。
一般的なザックのミレーのサースフェー30+5の重量は1500gあるところ、アークテリクスのアルファFL40はその半分以下の715gです(30+5と40という若干の差はありますが)。
約800gの違いがありました。500mlの水とダウン1着くらいの重量でしょうか。この差は結構違いますよね?荷物の軽量化を図るために、色々と取捨選択し、工夫し、削りに削った道具たち。これ以上削れないよ、となっている人はビックリする数値でしょう…(笑)
サースフェーとアルファFLで同じ重量の荷物を入れたとしたら、785gの差があるわけです。登山で長い時間、距離を歩くことを考えると、このちょっとした差が疲労度に関わります。
当然、重量は軽い方が疲れませんからね。
②多機能orシンプル
ミレーサースフェー30+5は様々な機能が備わっています。
コンプレッションストラップ、雨蓋、サイドストレッチメッシュポケット、ウエストポケット、ハンドレスト、トレッキングポールホルダーなど…。
歩きながらボトルを出し入れできるサイドストレッチメッシュポケットや肩が疲れた時にハンドレストを引っ張れば、重さを軽減することができたりと、便利な機能が多く搭載されているミレーサースフェー。またショルダーはクッション性が高く、まるでビジネスクラスの背負い心地です(詳しくは以前の記事を参照)。
アークテリクスアルファFL40 はシンプルで必要な機能しかありません。
外回りにサイドポケットは無く、シュッとしたスリムなボディにすることで、岩場や氷、枝などに引っ掛からないようにコンパクトな構造になっています。それゆえ雨蓋すらありません。アイスピッケルをつけるループが2つと、クランポン、アイスツール、ビレイパーカなどを持ち運ぶ用のコンプレッションシステムがあるだけ。
ミレーは2気室なのに対し、アークテリクスは1気室
多機能のミレーは、荷物を各部屋に分別して収納することが可能で、必要なものを必要なところに出し入れすることができます。雨具、MFA、着替え、小物と小分けができると、物がごちゃっとしなくて良い!一方で、ポケットが多いと「あれ?どのポケットだっけ?」となる人もいるかもしれません。
シンプルのアークテリクスは、1気室なので1か所に全てを入れる必要があります(小さなポケットは2つあります)。つまり一番下に入れた荷物を取り出すときは、上に入れた荷物を出さないと、取り出すことができない…ということ。加えて、バランスよく荷造りしないと、左右のバランスが悪くなったり、中身がぐちゃぐちゃになってしまいます…(苦笑)。塾考したパッキングが重要になります。
③背負い心地
ミレーサースフェーは、背中の部分とショルダーがメッシュになっていて、通気性が高く、汗をかいても風通しの良い環境を保ってくれます。またショルダーはクッション性が高く、重量が増えたとしても、肩への負担を軽減してくれます。そしてハンドレストを使うことで、より肩への負担を軽減することができ、長時間の行動も快適に歩くこともできます。
アークテリクスアルファFLは、固めの定形バックパネルが背中への快適さを確保しつつ構造をサポート。熱成型の肩ストラップは人間の身体構造にマッチしたフィット感があります。
アークテリクスアルファFLは、ミレーのようなメッシュではないですが、適度のクッション性を持ち、考えられたショルダー構造によって背負い心地はGood!一方で背面はミレーほど通気性は無く、汗をかくと若干の蒸れを感じます。
ウェストベルトが薄いので、気持ち心もとなさを感じていましたが、使っていると特に感じなくなりました。
④防水性・撥水性・耐久性
ミレーサースフェーは、ナイロン210 CORDURA OXを採用。高い耐久性を実現。
アークテリクスアルファFLは、N70r nylon6 ripstop/N400r-AC²ナイロン6リップストップを採用。防水性・耐久性・摩耗性に強い生地。
どちらも防水性は良く、雨が降っても多少であれば問題ありません。使用期間の影響もあるかもしれませんが、アルファFLのほうが撥水性は良い気がします。
耐久性は、アルパインザックのアークテリクスの方が優れているでしょう。ちょっとやそっとじゃ破けない耐久性があります。生地の強度は、ミレーよりアークテリクスの方が高いでしょう。
実際に使ってみて
まずはなんて言っても軽さでしょう!
ミレーサースフェーに入れていた荷物をアークテリクスアルファFLに入れて、持ち上げてみると…。
「え!?めっちゃ軽い!?」
ザックを変えるだけでこんなにも軽くなるものなのか!と驚愕でした。YouTubeチャンネルよしぼうchでも紹介しましたが、摩周岳に登山に行ったときにも、このザックを使いました。
往復約14㎞の道を5~6時間かけて歩きました。次の日に足が筋肉痛になりましたが、肩や背中は、特に何も変化は無し。行動中も肩に荷物の重さをズッシリ感じることはなく、ショルダーの構造とウェストベルトが負荷を分散していたことを実感。
軽量化できると行動が速くなる。
行動が速くなると安全性が高くなる。
軽快な活動ができると、精神的な恩恵も多いと感じています。
時間に余裕を持てる=精神的に楽。
余裕があると、自然との距離が近くなる、自然の一部になる、心が洗われる…。
自然散策に没頭できる環境になる、というメリットがありますね。
道具たちのことをより深く考えるようになる。
シンプルな構造がゆえ、外回りには物は着けられない1気室のザックにどのようにパッキングするのか、一つ一つの道具たちを見つめ直し、入れる順番、必要性、代用の可否など考えなければいけません。今まで多機能のサースフェーを使い、適当に入れていても問題ありませんでしたが、アルファFLはそうはいきません。試行錯誤して、自分なりに完成形を作り上げるしかありません。
そして、ふと気づく…「これ…いらなくない?」
多機能ザック、収納の多いザックは便利なので、色々と詰め込んでしまうものですが、冷静になると使っていないものって案外あるんですよね…(笑)
そんな不必要なものを削り、本当に必要なモノだけを選んでいく。本物志向のアークテリクスの作り出したアルファFL40に本物の道具たちを詰め込む。
究極の旅の友が完成する。
究極がゆえ…
本物志向のザックですが、シンプル、不必要なモノの排除により、ショルダーにウェビングが無い、というのが初めのころ「う~ん…苦笑」と感じていました。大体のザックには、物を引っかけるループがあって、GPSやボトルなど着けてる頻度が高く、重宝していたため、それが使えないことに不便を感じていました。
極限のシンプルザックなので、自分がそれに寄り添っていく必要があります。このザックにはいらない、というコンセプトなのだから、ボトルホルダーなんかを付けるのは違うのかな?と思い、何か方法は無いか、色々考えました。例えば、チェストポーチを付けるとか。チェストポーチを付けることで、ポーチに入れるか、外付けして+α小物の収納もできて良い?なんて思っていました。しかし、ザックに付けるタイプのチェストポーチってザックの上げ下ろしの時、面倒くさくないか、となってしまい…苦笑。却下しました。
ただ、ヘリコンテックスのチェストバックは良い感じになりそうだと思っています。ザックに付けるタイプではなく、自身の体に付けるタイプ。背中側はメッシュのため、風通し良く、蒸れ防止になるのでアルファFLとの相性良さそう。興味ある方はチェックしてみてください↓
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なので、水のボトルをどうするか問題があるんです…苦笑。
ショルダーには着けられないし、外付けないし、どうするかな~と考えていたところ、とある商品が目に留まりました。
それがサロモンのACTIVE HANDHELDです。これがスゴく良かった!!
どんなものか軽く紹介すると…
これを手で持って行動するのではなく、チェストハーネスのベルトに通して取り付けます。こうすることで、ホルダーは必要ないので、フラスクの重量+水500mlの重量が増えるだけで済むので軽量最適。
また水分補給したい時に、いつもであれば、
①ザックから取り出す、②ボトルのふたを開ける、③飲む、④ふたを閉める、⑤ザックに戻す、
という5工程がかかりますが、
サロモンのフラスクにすることで、
①フラスクを持つ、②飲む、③フラスクを離す、
の3工程で済むようになります。これ物凄いスムーズで軽快な動作なの、おわかりいただけますかね?立ち止まる必要が無いんですよ!このおかげでかなりの身軽さを実現することができました。
究極のシンプルザックでも、相性の良い道具がある!
僕の場合はサロモンのACTIVE HANDHELDでした。おススメです!!
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最後に
ここまでアルファFL40の性能や特徴を紹介してきました。
軽量性・耐久性・防水性・撥水性・デザイン性、全てが◎の性能。
言うまでもなく、低山でも十分すぎるくらいの性能です。
性能として問題なしと言えるでしょう!
このザックを日常使い、低山で使うことはどうなのか?
私は”あり”だと思います。
必要なモノだけを残した究極のシンプルザックなゆえに、いままで一般的なザック(僕の場合はサースフェー)に慣れている人からすると、「ちょっと扱いづらい・癖がある」と感じる部分は正直ありました。
しかし、実際に使っていくと、案外、自分がアルファFL40に馴染んでいきました。本物志向のザックに寄り添い、自分も本物志向へと変わっていく…そんな感覚でしょうか。
自分が磨かれていく…低山や旅はもちろん、登攀や高山にも役立つ経験値・思考となるはず。
このザックを使いこなせるようになった時、自分も磨きがかかった本物に成長していることでしょう!
そういう意味では、自分のレベルを一段階、二段階上げてくれるザックと言えるかもしれません。
もう他のザックには行けなくなるかもしれませんね…(笑)
アークテリクスアルファFL40 は低山や旅の友になりうるものである。それ以上に、使う人の可能性を広げてくれる存在であった。
自然に寄り添い、散策を楽しむ、旅するように。
最高の相棒と、自然散策旅を共に過ごす日々…そんな幸せLIFEを送っている私が紹介した
アークテリクスアルファFL40 ぜひ使ってみてください!
アークテリクスアルファFL30 ↑
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アークテリクスアルファFL40 ↑
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
今記事の他にも、たくさん記事を書いておりますので、興味ある方はぜひ、ご覧ください。
また次の記事でお会いしましょう♪
よしぼうでした。
YouTubeチャンネル よしぼうch もよろしくお願いいたします!
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