目次
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戦闘訓練開始!
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25㎞徒歩行進
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印象に残った訓練
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新天地へ旅立ち
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最後に
戦闘訓練開始!
教育訓練も終盤になると、戦闘訓練が始まります。
映画で見る、「突撃~!!ヤー!!!」ってやつです。射撃が飛び交う中、匍匐前進で敵陣地に近づき、最終的に突撃して陣地占領・奪還をする、という訓練(かなり略してますが)。
戦闘訓練ですから当然、装備もしっかりと戦闘が出来る格好で、小銃を持ち、200メートルくらいの場所まで全力疾走やら匍匐やらをします。
頭からテッパチ(鉄帽)、サスペンダー、弾帯、弾倉6個、銃剣、小銃、半長靴。
小銃を持って走る、という行為は思っている以上に疲れます。10~15メートルを小銃を持って全力疾走するわけですが、ただ小銃を持って走るわけありません。棒立ちして走っていたら敵に狙い撃ちに遭いますからね。姿勢を低くして全力で走るわけです。
匍匐前進は、敵との距離に応じて変えていきます。敵との距離が遠いときは、背をかがめたくらいの姿勢で走っていき、近くなるにつれ、手や肘、膝、腰と地面につけて匍匐していきます。最終的には顔を地面にこすりつけて両手の力だけで進んでいきます。何回も言いますが小銃を持ってやります。常に息切れ状態です。また射撃(空砲)をしているので声も叫ぶくらいの大きな声でコミュニケーションを取らないといけないので、余計疲れます。
匍匐前進してようやくたどり着いた中間地点で「もう少しだぁ」と安堵していると、班長にスタートラインまで引きずられて絶望する~。
よしぼうの思い出
戦闘訓練は激しい訓練です。左手と左足を地面につけて匍匐する姿勢があるのですが、その匍匐をするとき、左手に着けている時計がもろに地面にぶつかります。当時、2000円くらいの安い時計を付けていたので、戦闘訓練をしたその日に画面にヒビが入り、何回目かには画面が割れました(泣)。私の場合、2個の時計を戦闘訓練で壊してしまいました。その教訓から、安物の時計からG-SHOCKの時計にしてみました。衝撃に強く、防水の時計なので、戦闘訓練にもってこいです。
これから自衛官になる人にはおすすめの時計です!
もう既に自衛官の方にはGarmin(ガーミン)のInstinct2 Dual Power Tactical Edition(インスティンクト2デュアルパワータクティカルエディション)をおすすめします。特に空挺部隊でパラシュート降下する人。詳しくは別の記事にて紹介します。
一部紹介すると、暗視ゴーグルをした状態でも時計を見ることができるナイトビジョンモード、捕虜になりそうなときに時計のデータを消滅させるキルスイッチ、パラシュート降下後の目的地ナビゲーションするジャンプマスターなど軍事に特化したミリタリーウォッチです。
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時計といえば・・・
私はもともと右手に時計を着けていたのですが、自衛隊生活では何かと邪魔になることが多く、左手に着けるようになりました。手の甲の方(体の外側)に画面が来る着け方をしていたのですが、新隊員教育では、訓練や生活における罰、いわゆる反省(体力向上運動というのかな?)の時間で、腕立て伏せをするときに、手の甲の方に画面があると、その分厚い画面が手の甲や手首にめり込んで、かなり痛くなるんです。10分とかで終わるのなら問題ないのですが、1時間とか3時間と、長い時間になると結構辛い。ただでさえ、腕立て伏せ百何回もやってるのに、時計が食い込んでさらにツライなんてことになります。こんな経験を通して、無駄に苦しむのはバカバカしいな、どうにかならないかな?と考え、時計の画面を内側(手のひらの方)にしてつけるようにしました。こうすることで、腕立て伏せの姿勢を取るときに画面が食い込まなくなり、余計なストレスを感じることなく腕立て伏せに集中できます。
また内側に画面が来るように着けると、戦闘訓練の突撃準備をする際に、迫撃砲の弾着要請時間を確認する動作が容易になります。画面が外側にあると、腕をくるっと回す動作が入りますが、内側にあることで銃を抱えたままの状態で時計を見ることができるのです。「これ良いなぁ!」と実感しました。
戦闘訓練だけでなく、射撃の訓練の時も良くて、内側に画面があると銃を構えた状態で時計を見ることができ、時間の管理がしやすくなります。何分何秒に射撃開始という時も、姿勢を変えることなく時間を見ることができ、迅速に射撃ができます。
はじめは慣れず、モヤモヤ・イズイ感覚があると思いますが、慣れてしまえば結構便利ですよ!
25㎞徒歩行進訓練
こちらも新隊員教育の目玉と言ってもいいかもしれません。フル装備に加え、ザックを背負って25㎞を行軍するという、軍隊らしい訓練内容です。ザックの重さは15㎏くらいだったと思います。
この訓練は想像以上に大変でした。高校を卒業したばかりの小僧ですから25㎞も歩いたことなんてありませんし、15㎏の荷物を背負って半日以上歩く経験もありません。
これが私の人生だシリーズでお話をした通り、私は部活動を一切やってこなかった人間ですし、体重も47㎏と軽量な体格だったので、荷物の重さによる体力消耗が激しく、慣れない長い距離を歩く筋肉も発達しておらず、股ずれや靴擦れもしたり、なかなか大変でした。
唯一救いだったのは、高校時代に始めたラックサックマーチ的なトレーニングをしていたことです。25㎏程度の重さのザックを背負って走る、ということをしていたので多少はこの経験が役立ったと思います。きっとこのトレーニングしてなかったら地獄だっただろうなぁと震撼します。このトレーニングを自衛官にこれから入ろうとしている人はマジでやってみてほしい。(詳しいことはこれが私の人生だ~旅立ち編~をご覧ください)
入隊当時47㎏で荷物が15㎏ってことは体重の3分の1を背負って歩くってことですからね。60㎏の人なら20㎏、75㎏の人は25㎏ですよ。
そして半長靴も地味に重たい…泣
小銃も肩に担ぐから、紐が肩に食い込むし、ザックの重みも肩に食い込むし、とにかく肩が痛い。特に小銃を担ぐ右肩は痛い。あとは足の裏が痛かったかな?半長靴のインソールがペラペラだからクッション性が無いがゆえに足裏が痛かった。
25㎞を歩いて、初めて知った「股ずれ」。男性ならば息子のある所の股が擦れて痛くて歩くのがツライ現象が起きます。事前に予防する塗り薬を塗っておくと良かったのですが、当時はそんなの知りませんから大変でした。
そんな苦労が積み重なって、体力的にも精神的にも限界に近付いてきて、ようやくゴールが見えた!っと思ったら…、まさかの全力疾走が始まり、絶望に落とされます。行軍からのハイポートは精神的にヤラれます。ここでの踏ん張りは本当に火事場の馬鹿力です。体力があっても精神力が無ければ乗り越えることはできません。自衛官に必要な体力と精神力。まさにこの訓練はその大切さを体感できる、気づく、そんな内容でした。戦闘訓練とは違う過酷さがありましたね。
印象に残った訓練
新隊員教育が始まるのは3月末入隊は4月です。北海道では4月はまだ残雪のころ。気温もかなり冷えていて、一桁の世界。防寒着を着ないと凍える季節。そんな季節に教育が始まるのですが、初めて大きな反省(体力向上運動?)を受けた時のこと。外に呼び出され、腕立て伏せの「姿勢を取れ!」と指示がでて、姿勢を取るわけですが、気温が低いということは当然、地面も冷たいんです。腕立て伏せは素手を地面につけて行うもの、冷たい地面に素手をつけて姿勢をず~と保っていないといけないんです。腕立て伏せをするのも大変ですけど、冷たい地面を素手で長時間触れている、ということもかなり大変です。大変というか拷問です(笑)。
しかも、その時はあえてなのかはわかりませんが、砂利の地面の上で姿勢を取っていたんです。地面が冷たいだけでなく、砂利が尖っていて素手に食い込んで痛いというダブルパンチだったんです。班長の罵声も合わせるとトリプルパンチですよ…泣
反省が終わって立ち上がって隊舎に戻るわけですが、冷たい地面、尖った砂利に荷重がかかっていた手はどうなるか?神経が無くなった?と思うほど指が上手く動かせなくなります。グーがパッとできないから不動の姿勢が遅くなったり、敬礼が指が伸びないなどの支障がでてました。
自衛隊ってこういう場所か、と心の中で後悔や不安が急激に増した1日でしたね…苦笑
新天地へ旅立ち
3か月の前期新隊員教育。長いようで短い濃厚な日々も終わりを迎え、新たな教育の場へと旅立つ時が来た。3か月共に過ごした同期との別れは想像以上に感極まるもので、みんな涙を流して旅立って行きました。私も号泣しながら新天地へ行きましたよ…(泣笑)
7月からは、それぞれの専門分野の職種の教育を3か月受ける後期教育が始まる。そうして前期後期合わせて6か月の教育期間が終えることで、晴れて自衛官として部隊に配属されて、それぞれの場所で活動していく。普通科や機甲科、特科や施設科、衛生や後方支援など色々な職種のプロフェッショナルになっていく。
国防のために今、精進している人がいる。私たち民間人を助けてくれる人がいる。この人たちがいるから私たちには平穏な日常がある。この人たちの頑張りを応援していきたいですね。
最後に
ということで「これが私の人生だシリーズ自衛隊編」はとりあえず終了となります。
シリーズに分けてお話してきましたが、長々と読んでいただきまして、ありがとうございました。
今回お話したのはほんの一部ですが、何となく自衛隊ってこんなところなんだなぁとイメージしてもらえたら良いのかなと思います。あくまで私個人の体験談からのお話ですけども。
さてさて、それでは今回の記事はここまでということで!
それではまた次の記事でお会いしましょう♪
バイバイ~!
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