これが私の人生~自衛隊編パート1~

みなさま、こんにちは。よしぼうです。                           北の大地でのびのびと自分らしく人生を送っている元自衛官。
これが私の人生シリーズ第3弾。
今回は自衛隊編です。新隊員となったよしぼうの自衛隊生活。はたしてどうなるのか?
それでは行ってみよう!

目次

  1. 自衛隊入隊
  2. 新隊員教育前期始まる
  3. つづく

自衛隊入隊

いよいよ自衛隊に入隊するわけですが、入隊前に、親知らずの歯を取る、頭を坊主にする、通帳を作るなどしました。私の場合親知らずを4つ一気に取りました。全身麻酔で手術するのですが、手術台の上で麻酔を打つまでは「絶対に寝ないでやる!」と無駄に張り切っていたのですが、さすが麻酔です。いつ寝たのかわからない、ブツッと意識が切れるように麻酔にかかりました(笑)。気が付けばベットの上で横になっていて、となりに親がいるというシチュエーション。(心の中…麻酔に負けたぁ)。自分では気が付かなかったですが、そばにいた親曰く、人格変わったのか、と思うほどよくしゃべっていた様です。全身麻酔の副作用ですね。特に後遺症が残ったわけではないので良かったです。

さて、入隊時、基地に入る前に整列をして点呼みたいなことをしました。その時に驚いたのは、頭が茶髪な人、ピンク色の人、態度が悪い人、ホント色んな人がいること。この人たち自衛官やっていけるの?と疑問を持ちました。もちろん、この人たちがこれから私と同じように自衛官として成長していくわけですが…汗。

ドキドキ緊張しながら基地に入っていきます。門番の本物の自衛官は迫力が違います。ちょっと怖いくらいでした。監視されている。悪いことしたら絶対ヤバい空気感

私たちが生活をする隊舎につくと、まずは身支度、整理整頓をして、生活する環境を整えます。トイレ、洗面所、食堂、お風呂場などの場所や使い方を優しく仏様のように教えてくれたのは助教の人(班長と一緒に私たちを訓練してくれるポジションの人)でした。

自衛隊って結構楽じゃない?

まだこの頃の私は、後に待ち受ける地獄の生活を知らず、のんきに生活をしていた…。

新隊員前期教育始まる

数日が経ち、入隊式が行われました。高校生から自衛官として変わる瞬間。自衛官の使命の自覚。国民の負託に応えることを誓う。

さぁ儀式が終わり、ほっとひと段落しようとしたその時、

「お前ら、何たらたらやってんだ!まだ学生気分か?なめてんじゃねーぞ!!」

え!?なにごと?あの仏のような助教が急変したではありませんか。

そう、いままでの優しい対応は、私たちがまだ自衛官としてスタートしていない一般人だったからで、自衛官として誓ったこの瞬間から、新人自衛官としての対応となったのです。

みんなどうすればいいのか、オロオロしているなか、次の課業の指示が告げられる。

「たらたらしてねーで、とっとと準備しろよ!」

テンパって慌てふためきながら準備をして、次の課業に進みます。

これが自衛隊か…そうだよな、楽なわけないよな…。これからどうなっていくんだろう…

一気に不安に包まれました。

さて、この日から自衛官としての日常になります。

  • 06:00 起床、点呼
  • 06:15 朝食
  • 06:30 洗面、着替え、部屋の整理整頓
  • 07:00 間稽古、服装点検、自衛隊体操、朝礼
  • 08:00 課業開始
  • 12:00 昼食
  • 13:00 午後の課業開始
  • 17:00 課業終了
  • 17:30 夜食
  • 21:00 点呼
  • 23:00 就寝

ざっくりこのような一日の流れで生活をしていきます。

癒し?いや悪魔のラッパメロディー

朝06:00に起床ラッパが流れます。パッパラパッ、パッパラッパ、パッパッパッパパパパーという知っている人にはおなじみのリズム。

「あ~いい朝だ~気持ちいい―!」

なんて朝じゃありません。なぜなら、起床と同時に、戦闘服に着替え、半長靴を履き、隊舎前に整列をして点呼を受けなければいけないからです。時間として3分くらいでしょうか。もうこの時から戦いは始まっています。

服装の身だしなみチェック、乱れの無い整列、不動の姿勢(気を付けの姿勢)、緊張感漂う点呼。

「〇区隊、総員〇名、事故ナシ、現在員〇名。」「番号!はじめ!」

しっかり全員いるか番号を数えます。声が小さいとやり直しをしなければいけません。寝起きから大声を出して点呼をします。

4月から始まる新隊員教育ですが、北海道のこの時期はまだ雪があったり、寒かったり、なにより乾燥しているので、声がガラガラでうまく出ないなんてことも多々ありました。

我々新隊員が点呼を受けている間、他の助教は、新隊員が点呼の際に持参する戦闘水筒をチェックします。水筒の飲み口の面一(つらいち)まで水が入っているか確かめるのです。それが決まりです。ですが、なかには半分くらいしか入れないもの、そもそも入れ忘れているもの、面一になっていないものなど、基準値に達していないと水筒が倒れて置いていたり、どこか遠くに置かれていたり、入れ忘れのものには厳重な注意が入ります。

この面一にするのがなかなか難しいんですよね(苦笑)。水道の蛇口から水筒に入れるところまでは面一なんだけど、キャップを閉める時にこぼれてしまい、点検の時にちょっと減っているということが多くありました。また、前日の夜に面一にうまく入れることができたとしても、部屋の乾燥がひどいので、水筒の水も蒸発して減ってしまう現象が発生してしまいます。

そうそう、戦闘服に着替えて外に行くときに、起きた布団の状態で行ってしまうと、帰ってきたときに無残な状態で散らばっていることがありました。これは起床したら布団もしっかり整理整頓するのが当たり前、ということで、汚いままにしておくと悪いことが起こる、と私たちは覚えていきます。

点呼が終わると、いったん部屋に戻り、朝食まで部屋の片づけなどします。大体は布団の整理整頓の時間です。毛布を4枚くらいとシーツ2枚使った布団環境を作るため、その布団たちを綺麗に畳んでビシッと面合わせして、高級ホテルのような綺麗な状態にします。慣れないうちは、うまくいかず時間がかかってしまうことも。

06:15ころに食堂へ向かいます。隊舎から食堂まで隊列を組んで駆け足で向かいます。食堂も戦いの場です。ゆっくり優雅に食べるなんてことはありません

「姿勢を正して、合掌、いただきます!」「目標5分」

ん?目標5分って何?

それは食事の時間です。5分で完食しましょう、ということ。みなさまは5分で食事できますか?やってみるとわかりますが、結構早食いしないと完食はできません。会話している時間がないくらいの時間です。私の場合、もともと食が細い人だったので、この食事もなかなか大変でした。ごはんを口に入れて、みそ汁で流し込む、おかずを口に入れて、水で流し込む、そんな感じで食事をしていました。アツアツのカレーや、苦手な食材が出た時は冷や汗かきながら食べました。ラーメンなど麺類は助かりましたね。

食事が終わると、課業開始に向けて、準備をします。

07:00間稽古、服装点検、自衛隊体操、朝礼

07:00までに隊舎前に集合、班長と副班長による服装点検が始まります。

「服装点検を実施する、点検を受けるもの以外、整列休め!」

一人ずつ点検を受けます。

帽子のかぶりをしっかりしているか、汚れていないか、髪の毛の長さは長くないか(3~6㎜)、きちんとそろっているか、鼻毛は出てないか、ひげは剃っているか、耳垢は無いか、戦闘服は綺麗にきちっとしているか、シワがないか、爪は伸びていないか、半長靴は綺麗に磨けているか、靴ひもは綺麗か、など事細かくチェックされます。不備がある場合、「指摘事項のあるものはその数だけ腕立て伏せを実施せよ!」となります。

例えば

「帽子のかぶりが甘い、指摘事項1!」、「髭の剃り残し、指摘事項2!」、「目の輝きがない、指摘事項3!」、「戦闘服のプレス(アイロンがけ)が甘い、指摘事項4!」、「腕のシワ、指摘事項5!」、「背中のシワ、指摘事項6!」、「半長靴の磨きが甘い、指摘事項7!」、「紐洗ったんか?、指摘事項8!」、「ズボンの線が甘い、ポケットのプレス甘い」、「声が小さい!」などなど。

指摘事項13個、腕立て伏せ130回実施!ということもあります。朝礼前に130回もできるはずもなく、できなかった回数は持ち越し(貯金と呼ばれる)され、返済しないと大変なことになります。朝から腕立て伏せ100回もしてから、課業開始はなかなかハードな一日のはじまりです。もちろん、課業中には体力錬成の時間もあり、トータル200回一日でやった、なんて日もあります。

どんな小さなミスもしない、しっかりチェックする意識を持って事に臨むようになっていきます。完璧にパーフェクトに。

自衛隊体操をして、朝礼、国旗に敬礼をして課業が開始されます。

「今日も一日生き延びるぞ!」そんなことを心で鼓舞して毎日を過ごしていきます。

つづく

次回、新隊員の訓練についてお話します。初めての鉄砲…。

それではまた会いましょう♪

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